延吉留学日記・第四週(2)
20100815 日曜日 晴れ
8月15日、中国では解放65周年の日、ということになる。1週間ほど前から、正門のところにバナーが掲げられているので、何かの行事でもあるかな、と思ったが、とくに何もないようだ。
朝は6時半頃に起床。土日は食堂が8時開店でまだ時間があるので、部屋で本を読む。池上嘉彦『〈英文法〉を考える』をやっと読み終えた。ＰＣを起動してネットに接続しようとすると、なぜか「使用容量を使い切りました」というメッセージが出て接続できない。困った。
食べていると、ほかのテーブルにＭＴくん・ＫＤくんの大学の先生が来られた。夏休みのこの時期、中国を訪れる日本の大学関係者の方は多いらしい。ＭＴくんらの大学は延辺大学と提携しているので、その関係もあって来られたのであろう。私もついでに簡単に自己紹介をした（といっても、日本では会社員をやってます、という程度だが）。
朝食後、土産物を探しに街に出る。身近な人々への土産は、すでにスーパーで買った蒙古［女乃］貝にしようと思っているのだが、会社の上司のための土産物に迷っているところだ。無理を言って1ヶ月休ませてもらっているので、その辺で買ったいい加減なものですませるわけにはいかないし、かといって変に高級であってもよくない。装飾品のように後に形が残るものだと迷惑がかかるかもしれないが、食べ物だと口に合うかどうかも考慮しなければならない。そういうときは酒を贈るのが無難なのだろうが、上司はあまり酒を飲まない人だったように思う。……というわけで、この数日、何を買って帰るか頭を悩ませているのだ。延吉空港にまともな売店があれば、こんなことを悩む必要もなくなるのだが、あそこには残念ながらキヨスクに毛が生えた程度の売店しかない。
さて、寄宿舎を出て、延大正門前から4路のバスに乗り、延吉で買い物するならココ、という西市場へ。いろんな建物をぐるぐると回ったが、やはり市場では、「安いもの」ばかりがたくさんあって、上司への土産に適したものは見あたらない。朝鮮人参が当地の名産なのでたくさん売られていたが、日本人には苦手な人が多いから（私もあまり好きではない）、きっと迷惑だろう。また、すでに松茸がたくさん出ていたのだが、これも身内向けの土産ならともかく、上司向けには適切とは言いがたいだろう。
そこで、すぐ近くにある百貨店に行ってみた。これまた上から下までぐるっと回ってみたのだが、適当そうなものは酒と茶ぐらいしか見あたらない。しかし、静岡県在住の人に茶を贈っても仕方ない気がするし（ちなみに私は静岡県在住のくせに緑茶をほとんど飲まず、緑茶以外のお茶やコーヒーなら大歓迎、という人間である）、酒は上述のように不適切だ。
結局、これという決め手を欠いたまま時間だけが過ぎていく気がしたので、早々とあきらめてしまった。帰国時にいったんソウルに立ち寄るので、ソウルのデパートにでも行って買い物をすることにしよう、と決めたのである。ソウルなら、ちょっとした菓子を買って帰るあても思い当たる。
百貨店から外に出ると、日差しが強くて暑い。少し歩いて、今日もまた新華書店に立ち寄った。今日は、中国語教材コーナーを重点的に見た。日本人向けに作られた会話帳のようなものを2冊と、ＨＳＫ初・中級向けの問題集を1冊、そして芸術をテーマにした文章や会話を通じて中国語を学ぶという中級向けのテキストを1冊購入した。
書店を出て、昼食。韓国人向けに書かれた延吉生活情報ブログで紹介されていた、「人人餃子城」という店に行った。食べたのは海鮮水餃。もちっとした皮がうまいし、中の具も延吉にしては海鮮の鮮度も悪くなく、おいしい（海鮮以外のものを頼めばもっとうまかったのかも、と後から思った）。ビールと相まって、しっかり腹が満たされた。
あとは、もううろついても仕方ないので部屋に帰ることにした。人民公園の前まで歩き、そこのバス停から4路のバスを拾って帰る。寄宿舎まで帰り着いたら、少し汗ばんだ。
部屋の戸を開け放って換気をしながら、ダメモトでネットの接続を試してみると、なんとつながった。使用容量はリセットされており、またゼロからカウントが始まっている様子。どうやら今日が締め日だったようだ。ちょっと安心した。少し横になって汗が引くのを待ってから、日記をつけた。
その後、2時間ほど授業の予習をして、夕食。おかずはキムチポックムとピーマンの卵とじだけを注文したのだが、どうせ余っているから、というのでおまけに炒麺ももらう。おかげで腹一杯だ。
夕食後、シャワーを浴びて少し横になって休んだ後、コーヒーを飲みながら予習の続きをして、第1課を軽く復習。もうすぐ12時だ。日記をブログにアップしたら、もう寝ることにしよう。
