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延吉留学日記・第四週(6)

20100819 木曜日 晴れ

作文の準備を十分にできなかったので、5時に起床。窓を開けると空気が肌寒いほどだ。ネット上の天気予報サイトを見てみると、延吉の最低気温は18度ほどらしい。空を見ても薄く引いたような雲が多く、すでに秋空だ。

顔を洗い、洗濯物を片づけて、6時前から作文の準備を開始。7時になったところで一段落をつけて朝食をとり、さらに続けて8時過ぎまで準備を続けた。
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今日は、6時前から図書館前で訓練している軍訓のグループがいて、演武の「型」のようなものを練習していた。おそらく昨日の夕方にできが悪かったので、今朝は早くから練習させられているのだろう。私が教室に向かうときにも、彼らは練習を続けていた。

8時半、授業開始。今日は女性の老師の日。この1ヶ月を振り返るレポートを作る。A5版ノートにおよそ1ページ分を書いたのだが、書き終えて老師に見せたところ、真っ赤になって帰ってきた。うひゃー、とは思うものの、ここまでやってくれるのだからありがたいことである。

今日の出席者は、ムンソプ、SKさん、私の3人だけである。書き終えた後、ちょっとした小テストのようなもの(離合詞に関するもの。おそらく研究の材料にでもされるのだろう)に答えると、あとはフリートークの時間となった。主には、この1ヶ月の感想や、日本・韓国の大学生活、就職活動などについての話題であった。聞き取りはまずまずできたような気がするのだが、相変わらずスピーキング力がヘボい。これはもう今さらどうしようもないので、今後気長に伸ばしていくことにしよう。

11時半前に授業は終了、寄宿舎に戻って昼食。
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今日は延大で日本文学の学会が開かれているとのことで、その参加者の弁当を準備するためにアジュンマたちは忙しそうであった。昼食後、休憩しながら日記をつける。日が高くなるにつれて、暑くなってきた。

今日の午後は、「多国籍料理体験」。学生が各自、自分たちの国の料理を披露する。私たちは、お好み焼きを第一候補として、ゴーヤーチャンプルーまたはフーチャンプルーを作ることにした(というか、ほとんど私の独断で決めた)。午後の活動は、まずそのための買い物から始まった。

13時に寄宿舎前に集合し、大学の西にある小さな市場へ。そこで野菜を買い始めたのだが、やはりソースの入手が困難ということで、フーチャンプルーに方針転換。ところがこれも麩の入手が困難ということで、さらにゴーヤーチャンプルーに方針転換した。ゴーヤーは、さいわい市場で買うことができたのである(日本で目にするものとは多少品種が違って細長いのだが)。この市場と、いつも行っている大学西門近くのスーパーとで、材料は買いそろえることができた。あとはそれを刻んで炒めるだけだ。

大学に戻ってしばらく休憩し、15時半頃から調理を開始。調理スペースは、いつも食事をしている食堂の地下にある厨房である。借りることのできる包丁が1本しかないため、いろんなグループの学生が交替で使う。そのため、しばらく他グループの調理を眺めることができておもしろかった。

私たちのグループは、結局私が調理担当者になった。材料をひたすら刻み、それを大きな中華鍋で炒める。20人分くらいはあるだろうか。こんなに大きな鍋を使ったのは初めてだ。記念に、写真を撮ってもらった。

各グループの料理ができあがると、いつもの食堂に持ち寄って試食会だ。ロシア人グループは、マッシュポテトにチキンカレーをのせたような料理。これはメチャクチャにうまい。韓国人グループは、トッポッキ2種(ふつうのものと、宮中トッポッキ)、キムチチゲ、パジョン(<いわゆるチヂミ)。トッポッキを作る過程は初めて見た。そして日本人グループは、ゴーヤーチャンプルーと王将的焼き餃子。焼き餃子は作るのに苦心したらしく、できあがりまでに時間がかかったようだ(別の厨房で作っていたので詳細は知らないが)。
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試食会は、ロシア人学生が明日朝に帰国するというので、その送別会でもあった。私は直接話をする機会があまりなかったのだけれど、おしゃれで勉強熱心な人たちだった。別れの代表挨拶をしてくれた女の子は、まだ高校を卒業したばかりでこれから大学に入るところなのだそうだが(そういう身分で留学させてくれる、というのは、日本の大学では考えられないことではないかと思う)、延吉がかなり気に入ったらしく、「私はまたここに戻ってきたい」と何度も言っていた。

ちなみに肝心の料理であるが、各グループとも大量に作ったので、全体としてたくさん余った。なかでも私たちのゴーヤーチャンプルーは、苦い味が韓国人学生にも中国人の老師たちにも口に合わなかったようで、多く残されていたように見受けられた。まあ、予想通りなんだけどね。オレ的にはうまく作れたと思うけどなあ。。。

試食会が終わり、部屋でくつろいでいると、KDくんがパソコンを借りにやってきたので、コーヒーを入れて少しだけ雑談。彼は日本に帰るとゼミの活動と就職活動、サークル活動などが山積みになっているという多忙な人なので、日本に帰るのが怖いと言っている。なにやら私よりもずっと大変そうだ(笑)

KDくんが自室に戻っていった後は、シャワーを浴びて日記をつける。今日もいろいろあった一日だ、と振り返る。残された時間は少ない、もう少し勉強してから寝ることにしよう。明日はついに最後の授業だ。